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感謝とねぎらい

 投稿者:Taka  投稿日:2012年 6月15日(金)04時34分45秒
  通報 編集済
  みなさんこんにちは。
気がつけば前回の書き込みから一カ月以上が経過していました。

さて、今回久しぶりに書き込みをしたい気持ちになった話題は、辻永クラフト工房さんのブログに関してです。
こちらの辻永クラフト工房さんは多くの方がご存じだと思いますが、ブログにて「これで工具に関する事を書くのは終わりにする」という旨の宣言をされているのを昨日発見しました。
http://tuzie-analog.blogspot.jp/2012/06/blog-post_09.html

実は以前より、辻永さんご本人から「近々終りにしようと思う」というお話はお聞きしていたので驚きはありませんでしたが、「ついにその時が来たか」と寂しい気持ちになりました。

僕自身、辻永さんのブログは工具、道具の仕立てや手直しに大いに参考にさせていただいて来ましたし、情報の充実ぶりに常に感銘を受けて来ました。
しかし、僕がそれよりも感銘を受けていたのは、辻永さんがあれほどの記事を公開し続けてきた姿勢と、その理由です。
これはご本人からも直接聞きましたが、ブログにも書かれている通り、市販品への不満と、それをメーカーが相手にしてくれない事への反発心、業界の工具の質の底上げという目標、工具の購入にすら苦労する苦学生(?)のために「工夫次第でどうにでもなる」を伝えたかった、などがモチベーションだったそうですが、それを10年間に渡って実行し続けるのは並大抵の精神力と労力ではないと思います。

公の場で市販品の欠点を指摘し不満を露わにすれば、メーカーに煙たがられて面白く思われないのは当然。高価な工具を買わなくても、安い工具に一工夫、またはホームセンターや100円ショップで売っているもので代用できてしまう事を公表するのもメーカーにとっては迷惑な話。
ご自身も材料店を経営している辻永さんにとって、メーカーの反感を買う事が不利益になるのは目に見えている事です。
それでも辻永さんは業界の底上げ、クラフターという工具ユーザーのために、と、この活動を続けてきました。そこには(ご自身は自覚がないかもしれませんが)、工具と道具に対する深い愛情(もはや執着心に近い?)もあるかと思います。

僕はブログに書かれている記事と写真=情報のありがたさだけでなく、その裏に隠れた辻永さんの正義感、男気、工具への思い入れに感動し続けてきました。

また、もうひとつ評価すべきは、辻永さんの記事には他人から得た情報の受け売りが一切なく、同時に、いたずらに自分の知識をひけらかす自己顕示のいやらしさも一切なかったことです。つまり、すべてが自分自身で検証した結果の冷静なレポートという事です。
現在ネット上には一見して受け売りと分かったり、「こんな事を知っている、こんな事をできる」という自己顕示の記事が多数見られます。(結果的にそれを見た人のためになる場合が多いので、一概に否定はしません)。
でも辻永さんの記事は、純粋に「ここに疑問、不具合を感じたので、こう考えてこうしてみました。その結果こうなりました」という姿勢を一貫して通しています。いやらしさもありませんし、非常に説得力のある記事です。
もちろん正義感や義務感だけでなく、辻永さん自身工具の検証や開発が個人的にお好きだから取り組んできた、というのはあるでしょう。
しかしその結果を自分だけのものとせず、「せっかくなら皆さんにも知っていただこう」という行動を続ける事は、なかなかできるものではりません。

記事として公表されているのは実験と検証の結果ですから、読む側としては1記事につき10分、20分で得られてしまう情報です。
しかしその奥に数時間、数十時間、場合によっては年間に渡る辻永さんの労力と、実験のために無駄にしてしまった材料や工具の費用があるのです(言われなくても分かっている人がほとんどだと思いますが)。写真を撮影し、記事として執筆し、ブログに上げるという作業も相当なものだと思います。

それを10年もの間、恩着せがましさ一切なく公表し続けてきた辻永さんのブログ(以前はブログでなくアナログマンというHPでした)は僕にとって、、日本一の工具と道具の情報源であり続けました。情報そのものだけでなくその奥の心意気も含めてです。

辻永さん、長い間本当にありがとうございました。お疲れ様でした。
辻永さんの「業界の工具の質を底上げしたい」という志は、少なからず実現したのではないか、と思っています。
また、「道具は買ってそのまま使うものではない。自分の道具たるもの自身で手を加えて、本当の意味で自分のモノとすべし」という、ごく一部のクラフターにしか認識されていなかった事を、(辻永さんは無意識かもしれませんが)広く知らしめてくださいました。辻永さんのお陰でその事に気付いた人は少なくないと思います。
この場で謹んで辻永さんへの感謝、ねぎらいの気持ちを贈らせていただきます。


本来、このような事は個人的に直接伝えるべきかも知れませんが、僕と同じような気持ちで辻永さんのブログを拝見していたクラフターも多数いらっしゃると思いますので、感謝とねぎらいも共有したいと思い、ここで書かせていただきました。


※補足
ここまで熱く述べてきた事を、ある意味否定する事になってしまいますが・・・工具メーカーが工具の改良に関して腰が重いというのは、それなりの事情があります。
クラフトに深くのめり込んでいる僕らはイマイチ実感がありませんが、クラフト界全体からすると、本格的にレザークラフトに取り組んでいる人よりも、お遊び程度、または色々ある趣味のひとつとしてレザークラフトをやっている人の方が、割合的に圧倒的に多いのです。
そのような人にとって、工具は質はさておき、安ければ安いほどよい。
数を売らなければならない大手のメーカーにとっては、そのような人をメインターゲットにしなければなりませんし、そのようなニーズの方が多いわけです。
新規のクラフト人口を増やすために、敷居を低くする目的でも安価な工具は必要です。
安い工具=限られた開発コストと生産コストの中で作られる工具には当然限界があります。その中で各メーカー、最大限の努力をしていると思います(事実、コストパフォーマンスに優れた市販品も多数あります)。
考えようによっては、自分でちょっと手を加えれば立派なモノになるベースが、安価で入手できるのは有難い事とも言えます。

一方で、「高くてもいいからしっかりした工具が欲しい」という声が高まっているのも事実で、各メーカー、従来のラインナップとは別ラインの商品群も充実しつつあるのは皆さんご存知の通りです。
さらなる充実、品質のさらなる向上を願い、(辻永さんのように)ネットを通じて、材料店を通して、僕たちユーザーの声をメーカーに届ける努力をしましょう。
実際、あるメーカーの商品開発担当の方から工具の開発に関して「マーケットの要望が知りたい」というお話をつい先日聞きました。僕らの声が多数届けば、きっと反応してくれると思います。
 
 
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