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痛恨の極み

 投稿者:リベル  投稿日:2009年10月 7日(水)01時38分16秒
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  昨日の夕方から昔の友に電話を掛けまくりました、年に一度やることです。しかし昨日は違いました。何の拍子か寮の後輩に初めて電話したのです。皆んな元気でした、が、一人例外があったのです。

Mと言う男です。私は生涯に三人「こいつにはかなわない」という男が居ます。その内の二人は若くして亡くなりました、私は人に惚れ込むまいと思ったほどです、惚れ込むと死んでしまうから。最後の一人のMに夕べ電話しました。最後に会ったのは20年程前だったと思います、分かれるとき私に「Oさんは悪(わる)で出世すると思っていたのに…」と言いました、それ程私のことを知っていた男でした。

奥さんがお出になりました。「かくかくしかじかのOです」と言ったところ「主人は今チョット身体を悪くして人様とお話しできる状態ではないので…」と仰有るのでそれでは短いメッセージをお伝えくださいとメッセージを話し始めました。少しして突然彼が割り込んで話し始めました、最初から聞いていたのです、で私の話の中味を聞いて受話器を取ったというか切り替えたのでしょう。

脳梗塞で亡くなったと私の同期のものは聞いていたと、その後分かりましたが、話せるまでになっていました。話すだけで涙が出るほど嬉しいのに・・・彼は懸命に喋ってくれました、そういう男なのです。

私は死ぬまでに彼に確かめたいことが二つ有ったのです。一つは合宿所での話です。

合宿所には風呂がありません、近所の銭湯へ団体で通っていました。そこに勤めている女性がチョット若者には魅力がありました。私は特に魅力を感じて居らず実は理由がないのですが、彼女のお尻を触りました。「理由がないのですが」というのも変な言い方ですが、人間には時に、したくないことをしなければならないことも有ります。私には「劣情」のカケラもありませんでした。どうにも説明が付かないのですが、信じて頂けなくとも真実は今で言う「アイドル」視を止めさせたい、というような気持ちでした。私は女性のお尻を触っても全く快感を得ませんから。

でも全ての痴漢は私と同じ罪を着せられるでしょう、彼にも耐えられなかったのです。2時間ほどの隅田川での練習が終わって皆んなが艇庫へ入って行く時二人が最後になりました。いや二人が意識してそうしたのです。私が彼の背中に「オイ、M」と呼び掛けました。漕いでいる時彼は私の真後ろにいて、わざとオールを私の背中にぶつける仕草を繰り返したからです。彼は振り向きざま「オールを置け」と先輩の私に言いました。もしオールを置いていたらどちらかが死んでいたかもしれないと今でも思います。少なくとも某大学の運動部での不祥事とか何とかに発展していたでしょう。私はただ意気地がないためオールを置かなかったのですが。

あの時、俺は触りたくて触ったのではない、それを彼に告げたかったのですが彼は全く覚えていないと一生懸命、回らぬ舌で私に言いました。

もう一つ彼に聞きたかったことは、何故その頃非難を浴びていた「日本窒素」へ入ったのかという疑念です。正義の固まりのような彼は間違いなく自分を顧みず入社したはずです。それも尋ねました。

これも彼は否定しました。あまりどこにでもある理由を振りかざすので、「今私は嘘をついているんだよ」というメッセージかと思ったほどでしたが、とにかく彼は否定しました。

Mという男は「純」の固まりだと当時は思っていました。しかし私も今は「純」でなくなっているのですね。彼がタドタドしく答えた二つは、やはり「嘘」だと思います。私はあの男に全幅の信頼を置いています、だからこそこの二つの答えは「嘘」だと言い切れるのです。


いまこれを書いていて、私が彼を如何に愛しているか、それが良く分かりました、良く分かりました・・・。
 
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